サウナ開業立地論
データで読み解く東京23区
東京でサウナを開くなら、どこがいいのか?
79軒の既存店舗データから読み解く。
サウナブームは本物だ。「ととのう」は流行語を超え、ライフスタイルになった。
東京23区には現在79軒のサウナ専門施設がある。銭湯のサウナ付きを含めれば300軒以上。この市場に参入したい人は多い。
でも、「どこに出すか」を感覚で決めていないだろうか。「渋谷は人が多いから」「あのエリアにはまだない」程度の分析で数千万円を投資するのは危険だ。
そこで、東京23区のサウナ分布データを地図上に可視化し、立地戦略のヒントを探ってみた。
この研究でわかること
- ・サウナ専門店が集中しているエリア(激戦区)
- ・サウナがほぼないエリア(空白地帯)
- ・銭湯買収→サウナ化の可能性があるエリア
※「サウナ専門店」=サウナを主業態とする施設。銭湯併設のサウナは含みません。次のステップとして銭湯のサウナ有無データを追加予定ですが、手作業での確認が必要なため時間がかかっています。
データ分析
発見①:サウナラインが存在する
地図を見ると、サウナ専門店は山手線の西側に集中していることがわかる。渋谷、目黒、世田谷、品川。このエリアに東京のサウナの約60%が集まっている。
逆に、足立区・葛飾区・江戸川区にはサウナ専門店がほぼない。これを「サウナライン」と呼ぶことにする。
60%
西側5区に集中
渋谷・目黒・世田谷・品川・港
3軒
東側3区の合計
足立・葛飾・江戸川
なぜか?理由は単純だ。可処分所得だ。サウナ専門店の平均単価は2,500〜3,500円。これを「高い」と感じない層が西側に住んでいる。
発見②:渋谷・新宿は激戦区
「改良湯」「ドシー恵比寿」「サウナ道場」「かるまる池袋」。話題のサウナはすべてこのエリアにある。
ここで新規参入するなら、明確な差別化が必要だ。「普通のサウナ」では埋もれる。資本力、ブランド力、あるいは尖ったコンセプトがないと戦えない。
激戦区で勝つ条件
- ・初期投資1億円以上の覚悟
- ・SNSでバズる「映え」要素
- ・有名サウナーとのコネクション
- ・明確なターゲット絞り込み(女性専用、深夜特化など)
発見③:3つの空白地帯
空白地帯には3種類ある。それぞれリスクとリターンが違う。
湾岸エリア(豊洲・有明・勝どき)
タワマン住民という高所得層がいるのに、サウナがほぼない。「銭湯文化」がないエリアなので、サウナ=新しい体験として刺さる可能性がある。
東側エリア(足立・葛飾・江戸川)
家賃が安く初期投資を抑えられるが、「スーパー銭湯文化」が強いエリア。単体サウナに3,000円払う層がどれだけいるかは未知数。
大田区・品川区(銭湯リノベ狙い)
銭湯は多いがサウナ専門は少ない。経営者の高齢化で事業承継案件が増加中。既存の「箱」と「顧客」を引き継いでサウナ特化にリノベする戦略。
結論
「空白地帯だからチャンス」とは限らない。需要がないから空白なのかもしれない。
データは「どこを深掘りすべきか」を教えてくれる。最終判断は現地調査と財務シミュレーション次第だ。
開業前のチェックリスト
データ分析の次にやるべきこと。
現地を歩く
駅からの動線、周辺の店、歩いている人の層。データではわからない「空気」がある。
競合を全部まわる
半径3km以内の施設をすべて訪問。何が良くて、何が足りないか。
物件を見る
銭湯跡地には独特の条件がある。ボイラー、煙突、給排水。専門家への相談必須。
数字を回す
家賃、人件費、光熱費、想定客数。「なんとなくいけそう」は危険。
データソース
- ・Google Places API(サウナ施設位置情報、2026年1月取得)
- ・東京都統計年鑑(区別人口・所得データ)
- ・Mapbox GL JS(インタラクティブマップ)
※ 施設数・分布データは独自調査。データ取得日: 2026年1月