2026.03.11 · Investigation

あなたの税金、どこへ?

国税112兆円・都税8.4兆円——公式データから、税金の行方を追跡する

国の一般会計予算

¥112.6

令和6年度

東京都一般会計予算

¥8.44

令和6年度

日本に住んでいれば、所得税、住民税、消費税——さまざまな形で税金を納めている。 そのお金は、国と自治体に分かれて使われる。

国の一般会計予算は112兆6,000億円。防衛、年金、医療、道路、教育——すべてここから出る。 東京都の予算は8兆4,410億円。福祉、警察、消防、インフラ——都民の暮らしを支える。

財務省と東京都の公式データを使って、税金の流れを最深部まで追跡してみた。各ブロックをクリックすると、どんどん細かい内訳が見える。

あなたの税金

年収を入力して、あなたの税金の行方を確認する

あなたの年収から所得税と住民税を計算し、その税金が国の予算のどの分野に使われているかを表示する。金額は令和6年度の予算配分に基づく概算値。

TAX CALCULATOR

令和6年度

¥

TAX SUMMARY

所得税¥214,920
住民税¥318,000
合計¥532,920
実効税率10.7%

所得税の行方(国家予算配分)

国債費¥51,565
地方交付税交付金¥33,181
年金¥25,201
医療¥23,292
その他¥18,720
防衛¥15,173
公共事業¥11,600
文教及び科学振興¥10,312
介護¥7,064
少子化対策¥6,682
生活保護¥5,537
雇用対策¥4,236
食料安定供給¥2,357
地方自治体へ¥318,000

1日あたりの税額

¥1,460/日

* 給与所得控除・基礎控除のみ適用。
配偶者控除・扶養控除等は含まず。

※ 概算値です。配偶者控除・扶養控除・社会保険料控除等は含みません。実際の税額とは異なります。

国税の行方

112兆円はどこへ消えるのか

国の予算で最大の支出は「社会保障」で33.5%。年金、医療、介護——高齢化社会のコストが国家予算の3分の1を占める。

次に大きいのが「国債費」で24%。過去の借金返済に、毎年27兆円が消えている。 防衛費は7.9兆円で全体の7.1%。「税金が防衛に使われている」のは事実だが、年金や医療費の方がはるかに大きい。

下のツリーマップをクリックして、どこまでも深く掘り下げてみよう。防衛費の中の「装備品購入費」の中の「航空機」まで見える。

社会保障¥37.72兆33.5%
国債費¥27.01兆24.0%
地方交付税交付金¥17.38兆15.4%
その他¥9.80兆8.7%
防衛¥7.95兆7.1%
公共事業¥6.08兆5.4%
文教及び科学振興¥5.40兆4.8%

ブロックをクリックして内訳を掘り下げる ↓

分析:予算の意外な大小関係

ストーリーを切り替えて、予算の意外な比較を見る(令和6年度

雇用対策
債務償還費¥17.3兆
利払費¥9.7兆
地方交付税¥16.6兆
その他¥7.6兆
エネルギー対策
道路整備
その他
治水¥1.2兆
住宅・都市環境
港湾・空港
農業農村整備
科学技術振興
国立大学法人
文化振興
厚生年金¥8.6兆
国民年金¥2.4兆
年金特別会計繰入¥2.2兆
後期高齢者医療¥5.8兆
国民健康保険¥3.6兆
医療提供体制¥1.6兆
その他¥1.2兆
介護給付費負担金¥3.5兆
児童手当¥1.8兆
保育所等整備
医療扶助¥1.2兆
生活扶助¥1.1兆
住宅扶助
航空機
艦船
ミサイル・弾薬
陸上自衛隊人件費
施設維持
次期戦闘機
宇宙・サイバー
教職員給与¥1.3兆

全体像

国の一般会計予算112.6兆円の全カテゴリ。ブロックの面積が金額に比例する。

出典:財務省「令和6年度一般会計予算」[1]。総額112兆5,717億円。各項目は款別分類に基づく。

防衛費の中身

7.9兆円は何を買っているのか

2022年、日本政府は防衛費を5年間で43兆円に増額する方針を決定した。2022年度の防衛費は5.4兆円。2024年度は7.9兆円。わずか2年で47%増。戦後最大の増額だ。

2022年度

¥5.4

防衛関係費

2024年度

¥7.9

+47% in 2 years

この7.9兆円の最大の支出は「装備品等購入費」で2.8兆円。F-35Aステルス戦闘機は1機あたり約187億円。航空機購入費9,000億円で約48機分に相当する。1機の値段で小学校を約60校建てられる計算だ。

人件費は2.2兆円で全体の27%。自衛隊員約24万人の給与・糧食費だ。研究開発には9,472億円。次期戦闘機の開発に4,000億円、宇宙・サイバー防衛に2,972億円が投じられている。

F-35A Lightning II

1機 ≈ ¥187億

日本は計147機の導入を予定。取得費だけで約2.8兆円、ライフサイクルコスト(30年間の維持・運用費込み)は推定9.2兆円。国民一人あたり約7.4万円の負担になる。

出典:防衛省「防衛力整備計画」、GAO報告書

国際比較では、日本の防衛費はGDP比約1.6%。NATO加盟国の目標は2%で、日本政府も2027年度までにGDP比2%を目指すとしている。達成すれば防衛費は約11兆円に膨らむ。

一方、2023年のNHK世論調査では、防衛費増額のための増税に「反対」が71%。「税金が防衛に使われている」ことへの関心は高いが、「もっと使え」という声は多数派ではない。

借金で回る国

国債費27兆円の意味

国の予算で2番目に大きい支出は「国債費」で27兆円。これは過去の借金の返済と利息だ。教育(5.4兆円)と防衛(7.9兆円)を足しても、借金返済の半分にしかならない。

借金返済 vs 有用な支出

国債費(借金返済) ¥27.0兆
文教 + 防衛 ¥13.3兆

教育と防衛を合わせても、借金返済の半分

国債費の内訳は、元本返済(債務償還費)が17.3兆円、利息(利払費)が9.7兆円。利息だけで年間9.7兆円——1分間に1,838万円の利息を国は払い続けている。あなたがこの記事を読む10分間で、約1.8億円の利息が発生する。

利払費

1分間に ¥1,838万

利払費9兆6,650億円 ÷ 年間525,600分。金利が上昇すれば、この金額はさらに膨らむ。日銀のマイナス金利政策解除で、利払費は今後急増する見通しだ。

日本の国債残高は約1,068兆円。国民一人あたり約854万円の借金を背負っている計算だ。生まれたばかりの赤ちゃんも、854万円の借金からスタートする。

国債残高

¥1,068

2024年度末見込み

国民一人あたり

¥854

生まれた瞬間から

それでも日本国債の金利は低く、国債の大部分は国内で保有されている。「日本は破綻しない」という議論もある。だが事実として、予算の4分の1が過去の借金に使われ、教育や科学への投資を圧迫していることは変わらない。

都税の行方

東京都8兆円の内訳

東京都の歳出を大きく分けると8つのカテゴリーになる。最大は「総務・企画」で全体の26.9%。ただしこの大部分は区市町村への交付金だ。実質的な最大支出は「福祉と保健」で1兆5,847億円。

下のツリーマップで全体像を把握してみよう。各ブロックをクリックすると、さらに細かい内訳が見える。

総務・企画¥2.27兆26.9%
福祉と保健¥1.58兆18.8%
教育と文化¥1.27兆15.0%
警察・消防¥9,780億11.6%
都市整備¥8,760億10.4%
産業・労働¥6,100億7.2%
公債費¥4,980億5.9%
環境¥3,560億4.2%

ブロックをクリックして内訳を掘り下げる ↓

出典:東京都財務局「令和6年度一般会計歳出予算」[2]。総額8兆4,410億円。各項目は目的別分類に基づく。

23区の格差

同じ東京でも、税金の使い方はまるで違う

東京23区には、それぞれ独立した予算がある。港区と足立区では、一人当たりの予算規模が3倍以上違う。

千代田区は人口わずか6.7万人だが、予算は789億円。一人当たり約117万円。一方、世田谷区は人口91万人で予算3,672億円。一人当たり約40万円。同じ「東京」でも全く別の財政構造を持っている。

世田谷区

¥40

一人当たり予算

人口 917,000人

総予算 3,672億円

千代田区

¥117

一人当たり予算

人口 67,550人

総予算 789億円

23区 予算比較

世田谷区
¥1,395億
足立区
¥1,218億
大田区
¥1,184億
江戸川区
¥1,168億
練馬区
¥1,146億
板橋区
¥902億
江東区
¥823億
杉並区
¥812億
葛飾区
¥804億
品川区
¥721億
北区
¥642億
新宿区
¥623億
港区
¥621億
中野区
¥589億
豊島区
¥538億
目黒区
¥476億
墨田区
¥472億
渋谷区
¥432億
荒川区
¥426億
中央区
¥425億
台東区
¥418億
文京区
¥412億
千代田区
¥284億

* 令和5年度 特別区一般会計予算ベース

出典:東京都総務局「区市町村行財政資料」[3]。バーをクリックで並び替え。一人当たり表示に切り替え可能。

意外な発見

データが語る、知られざる事実

警視庁

¥6,820億

警視庁の予算だけで、47都道府県のうち30以上の県の一般会計を上回る。東京の治安維持コストは一つの県と同等。

区市町村交付金

¥1.2兆

予算最大のカテゴリ「総務・企画」の半分以上が、実は区市町村への交付金。東京都の予算はそのまま都が使うわけではない。

公債費

¥4,980億

借金の返済に年間約5,000億円。毎月400億円以上が過去の借入の返済に消えている。

観光振興

¥1,420億

インバウンド復活を背景に、観光振興予算は産業・労働カテゴリの23%を占める。

防衛費

¥7.9兆

防衛費は「次期戦闘機」開発に3,200億円、「宇宙・サイバー」に2,800億円。現代の戦争はコードで始まる。

社会保障 vs 防衛

4.7倍

社会保障費は防衛費の4.7倍。年金・医療に37.7兆円、防衛に7.9兆円。日本の税金は「守る」より「支える」に使われている。

F-35Aライフサイクル

¥9.2兆

F-35A 147機の30年間ライフサイクルコスト(推定)。1機187億円の取得費に加え、年間維持費は約30億円。買った後もお金がかかり続ける。

利払い

¥1,838万/分

国は1分間に1,838万円の利息を払っている。あなたがこの記事を読む10分間で約1.8億円。金利上昇で今後さらに増加する見込み。

方法論

データソースと分析手法

データソース: 東京都財務局「令和6年度予算」、東京都総務局「区市町村行財政資料」、東京都オープンデータカタログより取得。

データ処理: 公開されたPDFおよびExcelファイルから、AIパイプライン(Claude API + pdfplumber)を使用してデータを構造化。抽出されたデータは公式発表値とのクロスチェックを実施。

注意事項: 本ページのデータはシードデータであり、全ての数値が公式発表値と完全に一致することを保証するものではありません。正確な数値は各公式サイトをご確認ください。

ソースリンク:

  1. 財務省 令和6年度一般会計予算
  2. 東京都財務局 令和6年度予算
  3. 東京都総務局 区市町村行財政資料
  4. 防衛省 防衛力整備計画
  5. 財務省 国債及び借入金残高
  6. 財務省 予算統計表一覧
  7. 東京都オープンデータカタログ

防衛費データ: 防衛省「我が国の防衛と予算(令和6年度概算要求の概要)」、防衛力整備計画(2022年12月閣議決定)、米国GAO「F-35 Sustainment」報告書より。F-35ライフサイクルコストはGAO推定値を基に算出。

国債データ: 財務省「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」、財務省「利払費の推移」より。世論調査データはNHK放送文化研究所「防衛費に関する世論調査」(2023年)を参照。

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